オレゴン州ベンドの早朝は、カレンダー上の数字とは裏腹に、とても冷え込む日があります。サラ・スワローとポンデローサマツの並木道を歩いていると、太陽の光が松葉に当たった瞬間、霜が蒸発して露になるのが見えました。気温が上がっていく中、目的を持って歩き出した彼女。ブルー・マウンテンの中を流れるデシューツ・リバーに沿って、太古に積もった火山灰の土壌には、セイヨウネズ(針葉樹)とヤマヨモギがひっそりと茂っていました。
アドベンチャーサイクリストでありルートメーカーでもある彼女は、ウインタージャケットのフードを半分まで上げ、冷たい風から首元を守りながら、出発地と目的地の間で何を考え、感じながら走っているのかを語ってくれました。
ライド中は、その瞬間を受け入れて集中できる流れを見つけるようにしています。自分自身や自分のニーズと向き合い、それを満たせるよう積極的に行動するんです。路面が荒れ出して走りにくくなったり、気持ちが萎えたりすることもありますよね。そんなときはライドから気持ちが離れつつあるので、呼吸法やペダリング、タイヤが砂利を踏みつける音、あるいは顔に当たる風などに気を向けています。
今この瞬間に存在する。そのシンプルな事実のおかげで、自分がいる場所やグラベルライドというアドベンチャーにありがたみを感じています。自分でこの道を選んだわけですから。感謝の気持ちを持つことで、物事を広い視野で見られるんです。