リンガグロッサを抜ける道は、森を縫うように緩やかに登り、やがてエトナ山の荒々しい溶岩原へと続きます。普段なら息をのむ美しさですが、初開催「エベレスト世界選手権」に挑むライダーたちの目には、その景色は映っていませんでした。午前4時、ヨーロッパで最も活発な火山を7回登る280kmの挑戦が始まりました。
エベレスティングとは、連続した1回のライドでエベレストの標高と同じ高さを登ること。それは、長らく孤独な挑戦として知られていました。しかし今年9月、100人以上のライダーがシチリアに集まり、挑戦を共有。その中には、ジャック・トンプソン、愛称ジャック・ウルトラサイクリストの姿がありました。彼は年間で100万メートル以上を登るなど、極限のエンデュランス・チャレンジで知られるスペシャライズド・アスリートです。
ヒマラヤでの壮大なライドからわずか数日後、ジャックは世界最軽量のプロダクションロードバイクSpecialized Aethos 2を試すことに胸を躍らせていました。
極限の長距離に挑むときはRoubaixを頼ることが多かった彼ですが、Aethos 2は軽量なスピードと快適性を理想的に融合し、限界に挑む登りの日に頼れる相棒となりました。
平均勾配5%のこのレースは、通常のエベレスティングよりも長い距離を要求しました。
ジャックは序盤、カナダのジャック・バークと競り合いながらも、自分のリズムを見つけ、最終的に2位でフィニッシュ。しかし、彼が最も印象に残ったのは競争ではなく、場の空気感でした。
「今までのエベレスティングは個人の挑戦だけど、ここでは仲間意識を感じた。ライダー同士が常に励まし合っていて、本当に特別だった。」
イベント創設者アンディ・ヴァン・ベルゲンは、エトナがエベレスティングにおける「コナ」になると見ています。世界で33,000件以上のエベレスティング記録がある中、共有イベントへの需要は明らか。今後の大会では異なる登りを採用し、フル、ハーフ、リレーなど幅広い距離オプションを提供する予定です。
ジャックにとって、このイベントはシーズンを締めくくるに当たって完璧なものでした。
「今まで乗った中で最も軽く、洗練されたロードバイクSpecialized Aethos 2でこの日を走れたこと、エトナで2位を獲得したことは、忘れられない体験だ。」